「2人に1人はがんになる」って本当?──がん保険に入る前に知っておきたいこと
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「がん保険って、やっぱり入っておいた方がいいんでしょうか?」
保険相談の現場でよく聞かれるこの質問。
ズパッとYES・NOで答えられたら簡単です。
ですが、答えは一人ひとり違います。
年齢、家族構成、収入や貯蓄の状況によって
「必要かどうか」は変わってくるからです。
ただ、誰にでも共通して伝えたいことがあります。
それは——
「みんなが入っているから安心」ではない、ということ。
日本では協調性が美徳とされる一方、
「周りに合わせておけば安心」という思考が、
時に家計や資産形成に大きな影響を及ぼすことがあります。
「2人に1人ががんになる」は誤解を招く?
保険のパンフレットなどでよく見かける
「2人に1人はがんになる時代」。
というフレーズ。
たしかに、国立がん研究センターの統計によれば、
生涯でがんを経験する確率は男性で約60%、女性で約40%
とされています。
ですが、この数字には注意が必要です。
それは、
がんにかかる確率は年齢によって大きく異なるということ。
50代を過ぎてから急激にリスクが上昇する一方で、
20〜30代ではがんにかかる確率は非常に低く抑えられています。
つまり、一生の平均データだけを見て不安を煽られたまま早期加入するのは、
必ずしも賢い選択とは言えないのです。
若いうちからがん保険に入ると損?
仮に20代から毎月3,000円の掛け捨てがん保険に加入したとします。
40年間支払うと総額で144万円。
もしその間にがんにならなければ、そのお金はすべて戻ってきません。
その144万円、もし老後資金や資産形成にまわせていたら……?
こうした「なんとなくの不安」で入る保険が、
将来の選択肢を狭めてしまうこともあるのです。
年代別・がんリスクへの考え方
がん保険を考えるときは、
年代別にリスクと対処法を分けて考えるのが賢明です。
■ 20〜30代
-
がん罹患リスクは低め。
-
必要なら保険料の安い定期タイプで最低限の備えを。
■ 40〜50代
-
家族構成や住宅ローンなどライフスタイルの影響が大。
-
定期型 or 終身型を生活設計に合わせて選ぶ。
■ 60代以降
- がんリスクは高まるが、貯蓄や治療方針によって保険は不要になることも。
例えば、300万円程度の余裕資金があれば保険ではなく貯蓄から捻出。貯蓄が少ない時は終身タイプのがん保険でカバーする、高齢期にがんになったときは多額の治療費がかからない治療を選択。など
- 治療に積極的でないなら、加入しない判断も正解。
まとめ:保険は「今の自分」に必要か?を軸に
がん保険に限らず、「年代別のリスク」と
「自分の家計状況」に合わせて判断することが何より大切です。
「なんとなく不安」「周りが入ってるから…」
という理由で契約するのではなく、
自分にとって本当に必要な備えは何か?
を見極めましょう。
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不安や迷いがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
保険を売らない中立な立場から、あなたに本当に必要な備えを一緒に考えます。
参考情報:
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