投資は「何を買うか」より「どう分けるか」。お金は3つの層で整える
こんにちは。
青森の「保険を売らない」独立系FPの下田です。
今回は、これから資産運用を始めたい方へ
「お金の置き場所の考え方」についてお伝えします。
投資は“何を買うか”より“どう分けるか”が大切
最近、お客様からよく頂くご相談のひとつがこちら。
「NISAを始めたいんですが、どれに投資したらいいですか?」
この質問を受けるたび、「投資の本質からちょっとズレてるな。大丈夫かな」と感じます。
なぜなら、投資で本当に大事なのは「何を買うか」よりも「どんな配分にするか」だからです。
配分を考えずにとりあえず投資をするのは、
栄養バランスを考えずに、好きなおかずだけでお弁当を詰めるようなもの
育ち盛りのお子さんなら別に問題ないと思いますが、
ずっとこんなお弁当ばかり食べていたら健康が気になりますよね?
まずアセット・アロケーションで、資産バランスを決める
投資をするなら、まずはアセットアロケーションで投資全体のバランスを考えて欲しいと思います。
アセットアロケーションとは:
株、債券、現金、不動産などの資産クラスを、どんな割合で持つかを決めること
例えば、投資の資金全体を100%としたとき、
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株式 60%
-
債券 30%
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現金 10%
というふうに、大まかな配分を決めます。
これが投資の“栄養バランスの設計図”ともいえるアセットアロケーションです。
ポートフォリオで具体的な投資商品を決める
アセットアロケーションで「株式60%」と決めたら、次はその中身――
具体的にどの銘柄・ファンドを組み合わせるかを決めていきます。
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S&P500連動のインデックスファンドに30%
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日本の高配当ETFに20%
-
米国の個別株に10%
このような商品レベルの構成がポートフォリオです。
でも「株式60%」だけでは、リスクは見えない
ここで重要なことがあります。
同じ「株式」でもリスク(株価の動きの大きさ)の性質は大きく異なります。
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配当重視の安定株
-
成長重視のグロース株
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新興国株
など、値動きの激しさや下落時の耐性が全然違います。
資産を3層構造で考える
ここで、投資全体を3層構造で考えます:
第1層:守る資産(生活防衛資金)🛡️
-
現金、普通預金、国債
第2層:育てる資産(安定運用層)🌱
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債券ファンド、バリュー株ETF、金など
第3層:増やす資産(成長追求層)🚀
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グロース株、深層テーマ、仮想通貨など
「何をどの層に置くか」を決める
これを使うと、たとえばこんな表が作れます:
層\資産クラス | 株式 | 債券 | 現金 | その他 |
---|---|---|---|---|
守る | 高配得ETF | 国債 | 普通預金 | – |
育てる | バリュー株 | 優良社債 | 定期預金 | REIT |
増やす | グロース株 | ハイイールド債 | – | 仮想通貨 |
実例:50代独身女性Aさんの場合
Aさん(53歳・会社員・貯蓄1500万円)は、
将来の不安から投資に関心を持ちつつも、
「損しそうで怖い」と感じていました。
そこでAさんに、資産の3層構造とマトリクス設計をご提案。
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生活防衛(守る):500万円 → 普通預金・定期預金
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安定運用(育てる):700万円 → 国内債券ファンド、バリュー株ETF、REIT
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成長追求(攻める):300万円 → 全世界株式、米国ETFなど
Aさんからは、「“守りながら育てていく”感じがして安心」「無理なく取り組めそう」と好評でした。
FPは資産配分を設計します。
投資の成功は、銘柄選びの巧さよりも、
全体のバランス設計=配分にかかっていると言っても過言ではありません。
そしてこの配分設計には、
「目的別にお金を分ける視点(3層構造)」と
「資産クラスごとのリスクを分ける視点(アセットアロケーション)」の両方が必要です。
私たちFPは、資産を“目的と役割に応じて設計する”専門家。
栄養士があなたに合った食事プランを提案するように、あなたの人生に合った資産配分を一緒に考えます。
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