「FPって、保険の人でしょ?」
そう思っていませんか。
正直に言えば、ある意味で間違っていません。世の中のファイナンシャルプランナー(FP)の多くは、保険や金融商品を扱う立場にいます。かつての私も、そちら側にいました。
だからこのページでは、「保険も投資商品も売らない」という当事務所のスタンスが、どんな考えから生まれているのかを、少しだけお話しさせてください。
読み終えたとき、お金の相談についての見え方が、少し変わっているかもしれません。
「お金の相談にお金を払う人なんていないよ」
私が独立を決めたとき、当時の上司にこう言われました。
「FPにお金を払ってお金の相談をする人なんていない。相談は無料が当たり前だ。
お前には無理なんだから、黙って保険を売って稼げばいいんだよ」
正直に言うと、この時の悔しさは今も、心のどこかに残っています。
でも——その”当たり前”こそが、私が変えたかったものでした。
なぜ、相談そのものにはお金が払われず、商品を売って初めて成り立つのか。その仕組みに、ずっと違和感があったのです。
誰かが悪いのではなく、”仕組み”の話
ここで、誤解のないようにお伝えします。
保険を扱うFPや代理店が、悪いわけではありません。 むしろ、良い面もたくさんあります。保険会社と直接やりとりせずに済みますし、複雑な手続きを代わりに担ってくれたりします。私自身、保険業界の中にいたので、そこで真剣に働く人たちを知っています。
そして、人生においては、金融商品を持つこと自体は必要です。預金、保険、住宅ローン、投資信託——どれも、暮らしを支える大切な道具です。
問題は、別のところにあります。
商品を売る立場の人は、自社で扱う商品の中からしか、提案できないのです。
その営業マンに悪気があるからではありません。他社の商品を勧めても、商売として成り立たないからおすすめできませんし、おすすめしません。
それは個人の問題ではなく、業界全体の仕組みがそうなっているだけなのです。
その結果、何が起きるか。
どんなに良い商品でも——それがあなたに”合っている”とは限らない、ということです。
良い商品でも、あなたに合わなければ意味がない
体や病状に合わない薬は、いくら評判が良くても効きません。むしろ、害になることさえあります。保険や投資商品なども、同じことが言えます。
「合わない商品」を買ってしまう方は、少なくありません。
それは、その人が悪いのでも、商品が悪いのでもない。
“金融機関が売りたい商品をお勧めされる”という構造の中では、”あなたに本当に合うもの”に出会えるとは限らない——ただ、それだけのことなのです。
だから私は、まず「あなたに何が合うのか」を、商品を売らない立場から、一緒に見極めることを大切にしています。
当事務所は、たとえるなら、お金の”かかりつけ医”
この関係は、医療にたとえると、すっと腑に落ちるかもしれません。
- 独立系FP(私) … あなたの資産状況の全体を診て、どこに問題があるかを一緒に考える「かかりつけ医」的な存在です。アドバイスとサポートが中心です。金融商品(薬)は売りません。
- 保険会社・金融機関 … 薬をつくり、扱う「製薬会社・薬局」的な存在です。数多くの薬を扱っていますが、扱うのは自社の薬です。
- 税理士・司法書士など … 特定分野の「専門医」的な存在です。細かな税金の計算(精密検査)などを行ってくれます。
考えてみてください。「自分にどの薬が本当に合うか」を知りたいとき、あなたはいきなり薬を売る人に聞くでしょうか。
きっと、最初に相談に行く場所は、あなたを診てくれる病院だと思います。
お金のことも同じだと考えています。
何が自分に合うのかを中立に相談できるのは、商品を売らない立場の人間だけ。だから私は、その役割を選びました。
「ずっと、あなたを知っている人」がいることの意味、
「関係を続けるために、契約する」必要がないこと
当事務所では、もう一つ、大切にしていることがあります。
それは、シンプルであることです。
金融機関には、異動があります。担当者は数年で変わり、そのたびにあなたは、はじめから自分のことを説明し直すことになります。過去の相談記録は引き継がれても、”あなたを分かっている人”は、いなくなってしまう。
では、異動や転勤のない保険代理店なら安心かというと、そこには別の構造があります。
保険代理店やIFA(証券会社の代理店)は、最終的に金融商品を販売しないと成り立ちません。
商品が売れなければ、保険会社や証券会社からの評価が下がってしまうからです。そのため、どこかで何かしらの提案をせざるを得ない。しかも、代理店が受け取る手数料は、数年で切れることがあります。だから——関係を続けるほど、数年ごとに”見直し”や”乗り換え”の提案が生まれやすい。これも、誰かが悪いのではなく、そういう仕組みなのです。
独立系FPには、それがありません。
私は、あなたから直接ご相談料をいただき、あなたにとって最良のアドバイスとサポートをします。「関係を続けるために、何かを契約していただく」必要が、そもそもないのです。とてもシンプルな関係です。
もちろん、継続的なサポートをご希望の場合は、その分のご料金をいただいてサービスをご提供します。
ただしそれは、あなたが「必要だから選ぶ」もの。私の都合で、関係をつなぎ止めるために何かを買っていただくこととは、まったく別のことです。
ただ、正直にお伝えすれば、私も人間ですから、永遠にお付き合いできるわけではありません。
いつか、別のFPにバトンを渡す日も来るでしょう。
だからこそ、その日までに、あなた自身にも少しずつお金の知識を身につけ、自立していってほしいと願っています。
今後、私以外の誰かに相談することになっても、あなたが自分で良し悪しを判断できる状態になっていただくことを目指しています。
釣り人に、魚を渡すのではなく、魚の釣り方をお伝えする。
それが、私が考える”本当の支援”の形だと考えています。
それでも、保険や投資などの金融商品が必要なときは
私は「金融商品を扱わない」といっても、あなたを突き放すわけではありません。
ご相談やサポートの中で、金融商品を選ばなくてはいけないときは、私が信頼できる専門家(保険代理店・税理士・司法書士など)を、中立の立場でご紹介します。売らないからこそ、金融機関とのしがらみなく、あなたにとって最適な専門家に繋ぐことができるのです。
かかりつけ医が、必要なときに専門医を紹介するように。私は、あなたのお金の全体を見渡す立場から、必要な”つなぎ役”も担います。
だから、私は商品を売りません
もう一度、最初の問いに戻ります。
「FPって、保険の人でしょ?」——その常識は、必ずしも正しくありません。保険を売らないFPだからこそ、できることがあります。それを証明したくて、私はこの道を選びました。
かつて「FPにお金を払ってお金の相談をする人なんていない」と言われた私が、今こうして、相談そのものを仕事にできている。それが、何よりの答えだと思っています。
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