医療保険に加入しても安心してはいけない理由
医療保険、がん保険に加入しても安心してはいけません
あなたは医療保険に加入していますか?
もし答えがYESなら、保険金(医療保険やがん保険の場合は給付金と呼びます)を請求する時の流れも知っておく必要があります。
理由その1.給付金の請求は退院後
医療保険は基本的に、入院日額×入院日数=請求金額となります。
入院日額は契約時点で決まりますのですぐ分かりますが、入院日数は退院しないと何日入院なのかがわかりません。すると退院するまで保険でもらえるお金が確定しません。
理由その2.医療機関の支払いは月末締め
実際に身内で入院をされた方は経験があると思いますが、医療機関への支払いは月末締めで翌月10日頃に請求書が届きます。そして支払期限は約一週間後という比較的タイトなスケジュールです。
つまり、すぐに現金が必要ということです。
理由その3.給付金請求に必要な書類が揃うまで時間がかかる
医療保険やがん保険の保険金請求には大きく分けて2つの書類が必要になります。
1つ目は、「給付金請求書 兼 医療照会同意書」、2つ目は、「入院手術等証明書(診断書)」です。
「給付金請求書 兼 医療照会同意書」は自分で記入する書類です。
「入院手術等証明書(診断書)」は担当医師に記入してもらう書類です。
1は自分で書きますから意識がはっきりしていれば、すぐに記入ができますね。
(もし請求者本人の記入が難しければ指定代理請求人の方が記入できます)
2は医療機関に提出してから出来上がってくるまで2~3週間はかかる事もあります。
ということは、月初に1週間の入院をして退院してから医療保険の請求をすると、
診断書が出来上がるのは月末近くになります。
ようやく書類が揃って保険会社に請求すると、最短で5営業日以内に受け取りとなります。
そのお金、間に合いますか?
そうです、実際に手元にお金が届くのは病院への支払いの後の方が多いのです。
高額療養費で自己負担が一定額まで抑えられても、限度額適用認定証で窓口負担が上限までだったとしても給付金が手元に届くのは数日後だったら結局、貯蓄から一時的に立替が必要になるでしょう。
では、どうするか?
入院、手術などで医療保険(やがん保険)を使う時、退院してから請求が原則ですが、
入院中でも途中までの分を分割請求ができることを覚えておきましょう。
※医療機関の担当者によっては、途中までの分割請求ができる事を知らない方もいますので、担当者の話を鵜呑みにしないでくださいね。
入院中でも保険金(給付金)の請求はできる
例えば、4月1日~5月31日まで入院したとします。
入院したらすぐに、保険会社へ電話をして保険金(給付金)の請求書類を取り寄せます。
担当医師に書いてもらう診断書を5月1日に医療機関へ渡して4月分までの入院給付金を保険会社へ請求します。
すると順調に行けば5月末までに4月分の保険金(給付金)が振り込まれます。
こうすれば、約1ヶ月遅れですが自分の貯蓄から医療費の立て替えは不要になります。
注意点
請求のたびに医療機関へ「文書料」が自費でかかりますから請求の回数が多いと費用がかさみます。
医療保険を活用しつつ、実際に入院した時にお金に困らないためには現金が必要になってきます。
目安としては、高額療養費による自己負担分の2~3ヶ月分でしょう。
※標準報酬月額28万~50万円の方でしたら、ひと月あたりの自己負担限度額は「80,100円+(総医療費-267,000円)×1%」なので、およそ20万~30万は現金で用意しておくことをオススメします。
医療保険はたっぷり入っていても、医療機関への支払いができなくては意味がありませんから、ある程度の現金も確保しておきましょう。
下田幸彦

- FP事務所・青い森マネードクターズ代表
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保険などの金融商品を売らない独立系ファイナンシャルプランナー
IT×保険×住宅業界の経験から『デジタルマネー時代のお金の専門家』として40代の働く女性向けに「人生後半にお金でコケないお金の自信と計画」をサポートしている。
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