ファイナンシャルプランナーの下田です。

先日(2017年6月14日)のNHK「シブ5時」で
「サラリーマンの不動産投資」について特集が
放映されましたが、ご覧になりましたか?

内容は最近増えているサラリーマンの
不動産投資に関するトラブルについてでした。

今回は不動産投資についてのメリットや注意点について
私の体験も踏まえてお伝えします。

私は27歳から39歳まで会社員をしながら
不動産投資をしていました。

よく言う「サラリーマン大家さん」ですね。
ちょうど、FP資格の勉強を始めた頃です。

何事も知識と経験は別物として考えていたので、勉強を兼ねて軽い気持ちで始めました。
当時、「金持ち父さん、貧乏父さん(ロバート・キヨサキ著)」の本が流行していて
影響されたのもありますが。。。
(今思えば独身27歳で勢いがあったからできたことだと思います)

また、不動産投資を始めてしばらくすると、
友人などから不動産投資について相談を受ける事も出てきました。

特に、住宅メーカーの専属FP時代には、稼いでいる住宅営業マンに
どこからともなくかかってくる「不動産投資で節税しましょう!」
という新築マンション投資についても相談に乗ったことがあります。

投資用マンションの営業マンの中には東京からわざわざ東北まで
泊まりでやってきて、かなりしつこく勧誘した方もいました。
「契約の承諾をもらうまで帰りません。今度いつ時間頂けますか」
と・・・。こういう営業マンにつかまってしまった友人は精神的
にも参ってしまって追い返すまで大変苦労しました。(汗)

その投資用マンションは投資対象としてどうったのか?ですが、
長期で継続するには向かないボツ案件でしたので
そのままアドバイスしました。

私の不動産投資は物件に恵まれた事と、タイミングが良かったので、
サラリーマン節税をしながら収益が上がり、最終的には納得のいく
値段で売却もできましたので、投資としては良かったと思っています。

 

不動産投資で注意すべきこと

今回、私の実体験とこれまでの不動産投資相談から見えてきた注意すべき点をまとめます。

1.最終的に現金はいくら残るのか(表面利回りより実質利回りが大切)

2.空室が6ヶ月以上続いても貯蓄で対応できるか(収入に余裕があるか)

3.周りの競合物件より優位性があるか(強みや特徴はあるか)

4.将来の修繕費用の準備は大丈夫か(利益の蓄積は大丈夫か)

5.売りたくなった時に売れる物件か(立地などの資産価値)

と、いくつか気をつけたい点があります。

1.最終的に現金はいくら残るのか(表面利回りと実質利回りとキャッシュフロー)

不動産投資をするときの用語として
表面利回り」と「実質利回り」という言葉があります。

表面利回りとは、年間の家賃収入を物件価格で割った数字で、
投資額が何年で回収できるかを計算する目安になります。
計算式は下の通りです。

表面利回り(%)・・・家賃収入 ÷ 物件価格 ×100

次に実質利回りとは、年間の家賃収入から、管理費や固定資産税などの
諸経費を差し引いたものを、物件購入時の諸経費(登録免許税など)も
含めた金額(購入にかかる総額)で割った数字です。

実質利回りの計算式は以下の通りになります。

実質利回り(%)=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

実質利回りは表面利回りよりも厳しい数字になります。

まずは表面利回りをチェックしたら、次は
実質利回りを確認して現実路線で計算しましょう。

最終的には、「年間通じていくらの現金が手元に残るのか」を
測る「キャッシュフロー」も確認する必要があります。

2.空室が6ヶ月以上続いても貯蓄で対応できるか(収入に余裕があるか)

サラリーマン大家さんは、だいたい物件の管理会社に
入居者を募集してもらうことになると思います。

しかし、常に満室が続く事はまずありません。
新築ならまだしも、築年数が古くなればそれなりの
家賃にしないと入居者が決まらないこともありますし、
周囲にもっと新しい物件ができると競合が増えますから、
どのように魅力のある物件にしていくかが課題になります。

そして通常の賃貸契約は2年更新ですから2年をめどに
退去されるかもしれません。

入居者の退去から次の入居者が決まるまでの間は当然空室になりますね。

ここでアパートローンなどを利用して不動産投資を始めた方にとっては
家賃は入ってこないのに、金融機関への返済は毎月決まってやってくる
という、精神的にとてもツライ時期に突入します。

家賃が15万でローンの返済額が毎月10万円の場合、空室の時は
毎月貯蓄が10万円ずつ減っていくということです。

空室になった時のためにも、余裕資金としてローン返済額を含めた
毎月の維持費を6か月分くらいは蓄えておきましょう。

もし預貯金に余裕が無ければサラリーマン大家さんの夢はもう少し
時間をかけて育てていく必要があります。

そもそもサラリーマン大家に向くタイプの人は
毎月ある程度まとまった貯蓄を継続してできている人向け
の投資と捉えたほうがよいでしょう。

そして将来、結婚や出産などで収入が途絶える可能性のある方
夫婦共働きから方働きになる可能性のある方などは特に注意して
欲しいと思います。

3.周りの競合物件より優位性があるか(強みや特徴はあるか)

不動産投資は実物資産なので株式投資などの金融商品投資にくらべて安心という
セールストークを聞くことがありますが、不動産投資の家賃は周囲の物件によって
相対的に左右される事を忘れてはいけません。

自分の物件よりも駅近の新築マンションができればそっちの物件の方が
相対的に家賃を取れます。(自分が借りる立場で想像してみてください)

つまり、物件の家賃は最初が高く、経過年数によって古くなるにつれて
安くなるのが通常です。空室率は最初低くてだんだんと魅力が薄れるに
つれて高くなるのが自然です。

つまり、何もしないと家賃は下がるがローンの返済額は変わらない
(変動金利の場合、金利上昇とともに上がる場合もあります)状況になり、
収支が悪化していきます。

そうならないために、不動産投資を始める前にいくつか対策を考えておきましょう。

・定期的に周囲の環境をチェックする(廻りに新しい物件ができてないか)

・物件の内装を充実させるなどの工夫をする(エアコン、家具家電つき)

・ある特定のターゲットに対応した物件にする(ペット可、ルームシェア可など)

対策のうち安易にやらない方が良いのは

・敷金、礼金なし(単純な値下げになり収益性悪化)

基本戦略は付加価値をつけて家賃が下がらない工夫をいかにできるかです。

4.将来の修繕費用の準備は大丈夫か(利益の蓄積は大丈夫か)

毎年の家賃収入で生まれた利益はどうしたらよいでしょうか?
物件を数年で売却するなら別ですが、10年以上サラリーマン大家さんを
する予定でしたら、毎年の不動産投資で生まれた利益は将来の出費のために
蓄えておきましょう。

将来考えられる出費としては

・空室期間中のローン返済などの維持費
・物件の修繕費用

などです。

高年収の方に向けられる不動産投資のセールストークで
「不動産投資で赤字をつくれば給与と相殺されて所得が減って税金が安くなりますよ」
を信じて不動産投資を続けていくと、毎年の不動産投資での利益が貯まらないので、
物件の修繕費用がかかった時、自分の貯蓄から捻出することになります。
その分の出費は原則経費として扱われますが、その分現金が減っている事に変わりありません。

5.売りたくなった時に売れる物件か(立地などの資産価値)

不動産投資を始めてしばらくすると家賃がさがったり、
あちこち修理しなくてはいけなくなって収益性が悪化してきます。

では、そろそろ物件を売ろうかな?と思った時、選択肢
の一つに売却があります。

しかし、売却するとき、買い手にとって魅力的な物件か
どうかがカギになってきます。

買い手にとっても魅力が無ければ価格は下がります。
(当たり前ですが)

売りたいけど売れない状況はできれば避けたいですね。

最悪なのは、
・築年数が経っていて思うような家賃がとれない。
・空室が続いているけどローンの返済がまだまだある
・売りたくても売れない状況が続いている

こうなる前に、売り時も考えておきましょう。

そのためにも、不動産投資をしたら物件チェックや
周囲の状況の観察も含めてメンテナンスが大切です。

不動産投資って一回始めたらそれで後は自動的に儲かる
ものではありません。

投資というだけに、それなりにちゃんと利益がでるのか
を考える必要があります。

よくある質問

Q 家賃保証を利用するので大丈夫でしょうか?

A 家賃保証期間の何年ですか? 家賃の金額もずっと保証されていますか?

家賃保証(サブリース契約)があるので大丈夫です。
というセールストークをよく聞きますが、いくつか注意したい事があります。

※家賃保証(サブリース契約)とは・・・
不動産会社が大家さんから物件を借りて入居募集を行う仕組みです。
家賃は不動産会社に一旦入り、手数料(通常は2割程度)を引いて残りを大家さんに払う仕組みです。
メリットは空室でも大家さんは不動産会社から決まった金額を受け取れるところです。

私が過去に相談を受けた例ですが、、、

ある日、職場の同僚が不動産投資の勧誘を受けているので今度立ち会って欲しいと
言われ同席することにしました。

当日、(かなりしつこい)営業マンが「当社は家賃保証があるので安心してください」
とのこと。契約書面を見せて欲しいと伝え、数日後に契約書面が届きました。

家賃保証(サブリース契約)の部分を確認すると、契約期間は2年間、
その後は家賃の見直しとなり、金額に折り合いがつかなければ家賃保証契約は
解除となるという内容でした。

つまり、2年間は空室リスクもなく、家賃収入もはっきり分かりますが、
2年経つと周囲の家賃相場などに左右されて下がる可能性もあるということです。
(家賃保証する側からすれば当然です)

もし、2年経って家賃保証(サブリース契約)期間が終了したら空室リスク
もありますし、家賃の値下げ圧力も高まるかもしれません。

最初の2年間だけ安心できるくらいのサービスだと捉えた方がよいと思います。

不動産投資は投資ですので、自己責任です。
初めての不動産投資の不安から保証を求めたくなく気持ちも分かりますが、
そんなウマイ話はありません。
利用するなら保証期間中にしっかりと不動産投資の勉強をするくらいが良いと思います。