日本人の死因ダントツ1位、2人に1人が生涯で経験。この病気は何?

これは、日本人が一生のうちにがんに罹(かか)る確率をわかりやすく表現したものです。

よくがん保険のパンフレットなどに載っているキーワードです。

 

え、2人に1人?

しかも治療方法によっては健康保険が使えない治療(自由診療)もあり、

全額自己負担になることもあります。

と言われれば、「次は私かも」と思ってしまうのも自然な反応ですよね。

そうすれば、「もうがん保険は必須でしょ」という思考回路ができてしまいます。

その数字、大丈夫?数字のウラ側

しかし、ちょっと待ってください。

この謳い文句の根拠はどこからきているのでしょうか?

元のデータを見てみましょう。

国立がん研究センターがん情報サービスHPの最新がん統計によると

生涯でがんに罹患する確率は、男性63%(2人に1人)、女性47%(2人に1人)

やはり、かなりの高い確率ですよね。

やっぱりがん保険は必要なのか?

 

いやいや、もう一度じっくりデータを見てみましょう。

何歳からがんに罹りやすくなるのかについても確認してみます。

がんに罹りやすくなるのは60歳以降という事実

同じく、国立がん研究センターがん情報サービスHPの最新がん統計
がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2012年データに基づく)によると、

このようなデータになっています。

この表からわかることは・・・

いま20歳の人が40年後の60歳までにがんに罹る確率は8%

同じく、30歳の人が30年後の60歳までにがんに罹る確率は8%

40歳の人が20年後の60歳までにがんに罹る確率は7%

50歳の人が10年後の60歳までにがんに罹る確率は6%

つまり、男性でしたら60歳までにがんにかかる確率は約8%ということになります。

 

では、他の年齢ではどうでしょう?

70歳までにがんにかかる確率・・・20%前後

80歳までにがんにかかる確率・・・30%~40%前後

 

何パーセントが高確率かは感じる人によって違いますので何とも言えませんが、

60歳以降になるとがんにかかる確率がグンと高くなることだけはデータから読み取れます。

 

ちなみに女性の年齢別のがんのかかる確率は以下の通りです。

やっぱり人生の後半にがんに罹る確率が高くなっている事がわかります。

データを鵜呑みにしてはいけない理由

保険は統計データをベースに保障内容を決めて保険料も決めてます。

でも、あくまでも保険販売に使われる資料などは

「その商品が売れるように情報整理されている」という点だけは覚えておきましょう。

つまり、「それってホントかな?」という視点で自分でも考えるクセが必要ということです。

 

平均値の落とし穴

平均値という言葉がありますよね?

これは数字に偏りがあった時やサンプル数が少ない時は単純に信用してはいけない数字になります。

 

例えば、人口2人の村があったとします。(実際にありえなさそうですが)

この村の平均年齢を計算するとき、

1人は2歳、もう1人は100歳です。

すると、この村の平均寿命は

(100歳+2歳) ÷ 2人 = 51歳

 

この村の平均年齢は51歳ということになります。

これはものすごく極端な例ですが、実際にはこういう事も起こりえるわけです。

これっておかしくないですか?

このような単純な話なら当たり前と思うかもしれませんが、

保険や医学的なデータの事となると、先入観があるのか

思考停止になってしまう人がよくいます。

がん保険は必要か?

独立系ファイナンシャルプランナーの方には

「がん保険は要らない」、「がん保険に入るヤツはおバカさん」

「がん保険は保険会社のドル箱商品(高利益)だから加入するのはお金をドブに捨てる行為だ」

などと主張される方がいますが、これらの意見はちょっと極論かなと思います。

 

がん保険に限らず、(民間の)保険を活用する時は

1.保険には公的保険と民間保険がある

2.民間保険は公的保険で足りない部分を補うものと考える

この発想が大切です。

 

この前提を間違えると保険の担当者の話を聞けば聞くほど不安になり

オススメされるがん保険に充実保障で加入することになり、

本来貯蓄に回せるはずだったお金が保険会社に向かうことになります。

 

保険には公的保険と民間保険がある

医療保険と同様に、がん保険はがんの治療費用を賄う目的の保険商品です。

ですから基本的には健康保険適用の治療を受ける場合「高額療養費制度」の対象

となり、最終的な自己負担は一定程度に収まります。

自己負担の限度額って?という方はこちらでご確認ください。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の自己負担限度額

※勤務先が健康保険組合に加入している場合はそれぞれの健康保険組合のHPで確認してください。

 

一ヶ月あたりの治療費が患者さんの所得に応じて上限が決まっていますから

治療費を貯蓄で賄うという考えもアリということです。

 

しかも、健康保険の高額療養費には、

高額の負担がすでに年3月以上あった場合、4月目以降は(多数該当高額療養費)と

制度もありますので患者の自己負担は 24,600円~140,000円(所得に応じて変わる)

の範囲に収まります。

 

医療保険に入っておけばがん保険は不要なのか?

結論からいうと必ずしもそうではありません。

 

なぜかというと、

医療保険は基本的に病気やケガで入院や手術をした場合の費用を負担してくれるものです。

(いまは一部の保険会社で退院後の通院や入院前後の通院を保障するタイプの医療保険も販売されています。)

 

がんの治療は入院のほかに、抗がん剤や放射線治療など通院しながら受ける治療もあります。

入院から通院までのの費用全てを貯蓄で賄おうとすると、

治療が長引くほど貯蓄の残高を気にしながら治療を受る心配がでてきます。

お金の不安を抱えたまま治療をするのは精神衛生上良いとは思えません。

 

がん保険はがんになった時だけ保障が受けられる商品なので(当たり前ですね)

「診断給付金」という一時金が受け取れます。

(20年以上前のがん保険には無いこともあります)

(一部の会社では特約扱いになっているため付帯していないと受け取れません)

 

病気になった時、先立つ現金が受け取れればその後の治療費用を全て現金で

賄う事に比べたら安心感はあるのではないでしょうか?

 

つまり、医療保険に入っているからがん保険は全く不要。とも言えません。

(唯一、現金がしっかりあって、どんな治療も全て現金で払える方には不要です)

それぞれの保険の機能を理解した上で備える事を覚えておきましょう。